東京工芸大学創立100周年特別企画「100の笑顔展」
東京工芸大学は2023年に創立100周年を迎えました。1923年の小西寫眞専門学校の設立以来、「テクノロジー(写真技術)」と「アート(写真表現)」を融合した最先端の学びや表現を提供、発信してきました。100年の歴史を通じて、先駆的な高等教育機関を築いた先人たちの想いは、次の世代へと引き継がれていきます。
「100の笑顔展」の中心は、東京工芸大学の学生とカラフルモデル(障がいのあるキッズモデル)です。これからの100年を担う若者達が、カラフルモデルと出会い、撮影を通じて何を感じ、何を考えたのかが未来に対するメッセージになると考えます。写真やデザイン、映像の伝える力を使い、カラフルモデルの魅力や意義を社会に伝える展覧会です。
SDGsの広がりによりダイバーシティやインクルーシブ社会に対する理解も深まっています。つまり障がいのある子どもたちが、健常な子どもたちと共に学び、共に社会で活躍してほしいという考え方です。しかし、残念ながら社会には多くの差別が根強く残っています。その原因のひとつとして、障がい者と接点を持とうとしない「排除」が存在することです。少なからずこれまで障がい者をネガティブな存在とみなされることの多かった社会において、カラフルモデルが活発に活動することで、多様性が広がることを望みます。障がいの有無に関わらず、子どもの屈託のない笑顔は人々の心を引き寄せ、癒しを与えてくれます。私たちの目指す未来は、障がいがあっても堂々と生きられる社会です。障がいの有無や性別、性的志向、人種など、私たちには同じ人間であっても様々な違いがあります。本企画展を通して、このような違いを認め合い、すべての人がお互いの人権と尊厳を大切にするインクルーシブ社会を実現させる一助となることを願います。